作成 荻原不動産鑑定事務所
補償コンサルタント
不動産鑑定士 荻原松雄
土地境界立会い | 土地補償金算定 | 代替地農振除外 |
土地境界確認の立会いについて説明申し上げます。
道 線の建設事業につきましては、平素より格別のご協力をいただき厚くお礼申し上げます。
さて、巾杭が打たれまして土地測量の段階となりましたので土地測量と、その測量の前に必要な土地境界確認のための立会いについてご説明させていただきます。
買収させていただこうとする土地の面積は皆様との土地境界確認結果に基づき実際に測量した面積、つまり実測面積によりますから境界確認のための立会いは一筆ごとに境界や現況地目を確認し権利関係をききとり調査し境界杭を打ち込んで測量を実施させていただくわけでございます。
まず、土地の境界確認の日程ですが、あらかじめ地権者会事務局と協議していただいた結果、 月 日から 月 日までの 日間で実施させていただくことになりました。
この事業での測量の請負業者は 市の 測量株式会社で主任担当者は測量士の です。十分な路線測量の経験があります。正確かつ、良心的に業務を実施するよう、農作物を踏み荒らさないように注意して行います。
境界確認についての細かい話に入りますが、どのような方々に立会っていただくかですが、それは次の方々に立会っていただきます。
1.道路予定地の土地の所有者、つまり巾杭内の土地所有者です。
2.道路予定地の土地の借地権者あるいは耕作権者です。借地権者あるいは耕作権者に対しては土地所有権者から話をしていただき、
当日一緒に 立会っていただいて借りている範囲を確認しますのでよろしくお願いします。
3.道路予定地の外の土地所有者で、道路予定地に隣接している土地の所有者、つまり隣接地所有者で必要と考えられる方。
4.地権者会の役員の方や事務局の方
5.官民境界確認のために、県土木事務所や役場建設課の担当者の方。
6.共有地の立会いは共有者のうちで妥当と考えられる一人が立会っていただければ結構ですが、他の共有者の方の委任状が必要です。
7.未相続の土地の立会いは相続関係者のなかの妥当と考えられるお一人に立会っていただければ結構です。未相続の土地については至
急相続登記を完了されるようお願いします。
8.墓地の墓石だけを所有する人も立会いに来ていただきます。
境界確認の実施方法ですが、境界立会いでは現地で筆の境界や、一筆の中で現況地目が分かれている場合は地目境を教えていただきます。あらかじめ境界がわかるようにしておいてください。
同一所有者の筆が連続する場合でも筆ごとに境界確認いたします。 国土調査済の地域についてはまず、国土調査を再現いたします。
道路、水路等の公共物は公図に基づき公共物管理者が境界を確認いたします。
境界立会いの具体的な実施日程、範囲、集合時刻、集合場所については別紙境界立会日程表(略)のとおりです。一日約500m程度
となっております。
予定通り確認できなかった土地がでた場合には後日立会いをお願いいただくことになります。
雨が降った場合の境界確認実施の有無については地権者会事務局より連絡いたしますが、少々の雨天なら実施いたします。
立会いいただく地権者や役員の方々は、当日印鑑を持参してください。少々ですが後日立会い謝金をお支払いいたします。
立会い謝金は半日 円、一日 円です。
なお恐縮ですが旅費、宿泊費は出ませんがよろしくご協力願います。
境界立会いを代理人に委任される場合は、代理人の方が委任状を持参して当日提出のうえ出席してください。境界立会いでは隣接地の地権者の方々も立会われ、お一人でも欠席されますと境界が決まりませんので必ず出席してください。
どうしても出席できない時は地権者会事務局又は 用地課 係 電話 に事前に連絡してください。
土地の補償金額算定の方法について説明申し上げます。
一通り説明いたしますのでご質問等はそのあとにまとめてお願いします。
皆様方から、ご先祖様伝来の土地や大切な土地をご提供願うわけですが、ご提供していただく土地に対しては、閣議決定された公共用地の
取得に伴う損失補償基準要綱に基づいて定められた の公共用地の取得に伴う損失補償基準に基づき算定される正常な取引価格で土地
をお譲り願うことになります。
正常な取引価格というのは、土地売買当時者双方の主観を取り除いた、客観的交換価値のことで、これはその土地の市場価格を適正に表す
価格、いわば自由な取引市場で売手も買手も損をしないような価格ということでございます。
土地の上に建物等があって、そのために土地の価格が減少していると考えられる場合でも、それにより土地価格から特別に差引くことは
いたしません。更地として、つまり土地の上に建物等がなく 、かつ、所有権を制限する権利もない土地として評価いたします。
抵当権等の担保物件の設定のある土地は、皆様に抵当権等を抹消していただいてから買収いたしますので、同じく更地価格で評価しま
す。
もっとも、その土地を借りている人がいて、借地権等の権利がある場合には、補償金は更地価格の中から土地所有者と借地権者等に分け
て配分いたしますので、土地所有者が更地価格の補償金全部の支払を受けられるものではございません。
次に土地評価の単位、これは画地と呼ばれますが、これについて説明いたします。
土地の評価は、例外はありますが買収による分筆前の一筆の土地を1つの画地として評価するのが原則です。
例えば、道路にかかる買収部分が三角形で30uでも、その分筆前の形状が長方形で300uなら、長方形300uの土地を評価するという
ことです。
次に、土地の面積でございますが、土地の単価に面積を乗じて買収価額を求める場合は、用地買収部分の実測面積により計算します。
起業地内に全部入ってしまう土地も、分筆を要する土地も同じ事です。 登記簿面積ではありませんので、ご注意願います。
次に、先ほど申し上げました正常な取引価格の算定方法についてですが、土地の正常な取引価格は、土地評価(又は土地評価額と不動産
鑑定士による鑑定評価額を調整して)によって算定しますが、その土地評価について、ご説明申し上げます。
まず土地評価の主体ですが、土地の評価は公共用地評価の高度の専門家として登録を受けた補償コンサルタント、あるいは不動産鑑定の
高度の専門家である不動産鑑定士に私共の方から委託(又は依頼)して行います。
次に価格時点についてですが、いつの時点の土地価格で土地をお譲り願うかということですが、土地価格は経済情勢や地域の特性等を反映
して刻々と変化していますが、買収価格は買収直前の価格によります。従ってこういう経済情勢下では、将来は買収単価が下がることも考えら
れないわけではございません。
次に土地評価の手法についてですが、公共用地の補償では、土地の評価は、取引事例比較法と呼ばれる方法によることが の公共用地
の取得に伴う損失補償基準で定められておりますので、この事業でも取引事例比較法によって土地価格を算定します。
取引事例比較法とは近傍類地の実際の土地取引事例の中から適切なものを選択し、これらの取引事例の価格について、各種の補正、修正、
比較をして土地の価格を求める方法です。
更に又、周辺に適当な地価公示地や県地価調査基準地がある場合には、その地価公示価格や県地価調査基準地価格とも比較し、調整し
て求めます。
以上ですが何かご質問ございませんか?
墓地の代替地として、農振法の規定による農用地区域内の土地を取得しょうとする時は、代替地の売買契約をする前に、その代替地を農用地区域から除外してもらう手続が必要です。
農用地区域は、農用地等として利用するべき土地の区域として市町村が定めたものですので、そのままでは農業以外の用途に利用できないので、農用地区域から除外の手続が必要となるわけです。
農用地区域内であるかないかは、市町村の農振法担当課に、代替地の所在・地番を告げて問合わせればわかります。
除外の手続ですが、代替地予定地の土地所有者が市町村役場に、農振除外申請書(用紙は役場農振担当課にあり)を届出受付け期間中に、各種添付書類(土地登記事項証明書または登記簿謄本、公図、土地利用計画書、確約書、案内図)を添付し、印鑑を持参し提出します。
除外申請は、農地法の規定による農地転用許可申請よりも前に行うことになります。
農振除外は、市町村が行いますが、これは市町村農振地域整備計画の変更という形式をとるので、除外は一般的には年に1〜2回程度しか行われず、又、除外されるまでには、変更後の農振地域整備計画書の公告・縦覧・県の認可等かなりの日数がかかります。
代替地として、農用地区域内の土地を選定せざるを得ない場合は、除外の見通し等について事前に市町村農振法担当課か県の農振法担当事務所に、十分相談し指導を受ける必要があろうと思います。
農用地区域から除外できる場合は、原則として次の要件のすべてを満たすときだけということになっております。
(1) 農用地区域以外に、墓地の代替地がない。
(2) 集団的農地でないこと。
(3) 土地改良事業完了公告後8年以上経過した土地であること。
(4) おおむね1年以内に墓地として利用する計画があること。
(5) 他の法律等による許認可が得られ場合であること。(墓地埋葬法120m基準・農地法・その他)以上の5つの条件です。
やむを得ず農用地区域を代替地として選ぶ場合、この5つの条件を満たす土地を捜されるのがよいと思います。